昨日もマーケットにお越しいただき、ありがとうございました。
今年、ファーマーズマーケットでは「種ありデラウェア」を販売しています。
天野ぶどう園で栽培しているデラウェアは、以前は食用として種なしにしていましたが、現在は山あいにある畑の省力化も考え、ワインの原料として育てています。
今年も約1トンをワイナリーへ出荷し、その一部を生食用としてマーケットへ持っていきました。
「種があることを、お客様はどう受け止めるだろう?」
そんなことを考えながら、一昨年にも少量を販売したことがあります。
その時、意外にも「種あり」であることを、それほど気にされないお客様が多いことがわかりました。
そして先週、今年初めてマーケットへ持っていくと、今度はまた違った反応が返ってきました。
昔からデラウェアに親しんできたお客様からは、
「懐かしい」
という声が何度も聞かれました。
昔食べたデラウェアを思い出しながら、手に取ってくださる方がいる。
そんな反応を見ながら、こちらが思っているほど「種あり」ということを構える必要はないのかもしれないと思いました。
そして、もう一つ意外だったのが、その先の話です。
「このデラウェアは、ほとんどがワインになります。今年も約1トンをワイン原料として出荷しました」
そう説明すると、
「このぶどうで造ったワインは、どこで買えるんですか?」
という質問を何人もの方からいただきました。
ぶどうを食べて、その先にできるワインにも興味を持ってくださる。
これは私にとって、とても嬉しい発見でした。
そして昨日、今シーズン2回目のマーケット。
持っていった量は品種によって違いますから単純な比較はできませんが、一番先に売り切れたのはデラウェアでした。
先週に続いて「懐かしい」と買ってくださる方。
そして、先週買ったデラウェアが美味しかったからと、もう一度来てくださった方もいました。
さらに印象に残ったのが、一人のお子さんです。
親御さんが、
「これ、種があるよ」
と声をかけました。
すると、その子は、
「僕はこれが美味しい」
そう言って、デラウェアを選んでくれました。
シャインマスカットの人気が、うちの支えになっていることは間違いありません。
だから私は、シャインマスカットを否定するつもりなどまったくありませんし、これからも大切に作っていきます。
その一方で、デラウェアのように昔から親しまれてきたぶどうを手掛けていくことにも、面白さを感じています。
といっても、このデラウェアを積極的に残そうと考えて、今の栽培方法を選んだわけではありません。
この畑は立地条件があまり良くなく、他の品種への転換も難しい場所です。
そこで天野ぶどう園としては、いわば苦肉の策として作業を省力化し、ワイン原料としてデラウェアを育てることにしました。
ところが、そんなデラウェアをマーケットへ持っていったことで、思いもしなかった反応をいただくようになりました。
そして、その先にできるワインを楽しみにしてくださる方までいる。
当初はそんな展開を想像していたわけではありません。
畑から送り出したデラウェアの多くは、今度はワインという別の姿になって帰ってきます。
懐かしさに浸る人がいてもいい。
初めて食べて、新しい美味しさを見つける人がいてもいい。
そして、その先にできるワインを楽しみに待つ人がいてもいい。
そんなふうに、一つのぶどうからいろいろな楽しみが生まれていく。
この2週間、マーケットでお客様とお話ししながら、デラウェアにはまだまだ面白い物語があるのだと、改めて教えていただいた気がしています。
そして、この物語には続きがあります。

天野ぶどう園の畑を出たデラウェアが、これからワイナリーでどんなワインになっていくのか。
ここから先、ワインが出来るまでのお話は、NikkawaワイナリーのHPで。
今年のデラウェアがどんなワインになるのか。
私も楽しみにしています。

